神話のふるさと宮崎
神話のふるさと宮崎 神楽体験レポート

大人神楽

2017年1月14日〜15日鑑賞

保存会名 大人神楽保存会
開催場所 岩井川神社・歌舞伎の館
開 催 日 1月第2土・日
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通称「あばれ神楽」。奉仕者の気迫と地域の身近な神を感じる神楽 日之影町大人(おおひと)地区の神楽は、大人神楽とも呼ばれ、町内の神楽の中で唯一、夜を徹して28番の神楽が舞われる夜神楽です。町内4つの系統の中の「岩井川系」の神楽にあたり、激しい太鼓と荒々しい所作が特徴です。

◆シチュエーション

宮崎県の最北山間部に位置する日之影町。その約91%を覆う森林の山間を五ヶ瀬川と日之影川が貫流し、深い渓谷が独特の大自然の美を織りなしています。大人神楽は、日之影町の中央部、谷間に位置する岩井川大人集落に伝承されています。

  • 岩井川神社から神様をお迎えする「舞い入れ」。307段の階段を降りてくる様子はまるで天孫降臨の道行きのようです。
  • 会場となるのは「歌舞伎の館」。大人集落は神楽だけでなく九州唯一の農村歌舞伎「大人歌舞伎」を伝える地域で、伝統文化の継承に高い意識を持っています。
  • 御神屋(みこや)の様子。彫り物(えりもの)が張り巡らされ、観客と御神屋が同じ高さ・すぐそばで神楽が舞われます。
◆舞

舞の構成などは高千穂の神楽と同じ系統でありながら、表現がより力強いのが特色です。「あばれ神楽」とも呼ばれる会場全体を巻き込んで行われる演目も多く、大きな歓声があがります。一夜を通して神楽を楽しんだ最後の舞開きは、県内でもあまりない見られないで神話の世界のようです。

  • 「座張」。太玉命が観客の中に割って入り、小突いたり、子どもを泣かせたりと大暴れします。触られた人はその1年いい年になると言われています。
  • 「八鉢」。ちょうど眠くなりそうなときにアクロバットな動きで寝かせてくれません。
  • 「柴引」。激しい太鼓の音の中現れた太玉命が天香具山から榊を引き抜こうとしますがなかなか抜けません。最後には向こうで榊を引っ張っていた奉仕者を一緒に引きずりながら引き抜きます。
  • 「戸取」。最後のあばれ神楽で、これでもかと子どもを泣かしてまわります。岩戸を開くときも、戸の向こう側の奉仕者との引っ張り合いになり大盛り上がりです。
  • 「舞開」。ついに天照大神が降臨します。天照大神を演じるのは小学生の女の子で、奉仕者全員での神楽歌の中、手力雄が天照大神の手を引いて導く様子は、まさに神話の物語の中のようです。
◆神楽グルメ

歌舞伎の館の台所からふるまわれる食事の数々。「豚汁が〜」「うどんが〜」と次々に声がかかって、そのたびにお呼ばれしていたらずっとお腹いっぱいでした。室内とはいえやっぱり寒いので、温かい食事と地元の方々のもてなしが有り難かったです。

  • 舞入れの後に会場の中で奉仕者も一般参加者も一緒に直会です。わいわいと話が弾みます。
  • 大人神楽のお煮しめ。ぴかぴかのご飯と一緒にいくらでも食べられそうでした。
  • お煮しめと一緒に地元の野菜を使ったなますもふるまわれました。美味しかったです。
  • 明け方になると、朝ご飯に豚汁がふるまわれます。具だくさんで冷えた体に染み渡りました。
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