見どころは?
神楽当日まで、神楽宿のしつらえの準備が行われています。神楽を舞う神庭(こうにわ)のしめ縄や彫り物(えりもの・周囲にめぐらせる切り紙)などの美しいしつらえ、集落に数百年も伝わる貴重な御神面など、見どころもたくさん。
神楽は、午後2時ごろからの神迎えという神事から始まります。道行(みちゆき・神楽宿に土地の神々をお連れするための御神幸)から、神楽宿への舞い入れとなります。午後7時ごろから翌朝まで、33番を舞い明かします。
地元の人たちと一緒に、歩きながら神楽宿に向かうと、太鼓や笛の音が近づいてきます。子どもたちは駆け出して行って、その音に合わせて自然と体を動かします。幼いころから体に染み付いている神楽のリズム。名人の舞いの見どころは、特に脚さばきにあるそうです。太鼓や笛などのお囃子も、交代をしながら集落のほしゃどん(奉仕者)が奏でます。
地域によってはほしゃどんだけでなく、一般の飛び入り可能な番付があります。男性や子どもがほとんどですが、衣装や面を付け、神楽を存分に味わうことができます。子ども神楽や夜中の番付など、質問したいことがあったら、屋外で火を囲んで暖をとりながら、話しかけてみてください。
夜が白々と明け始め、天岩戸を開く「戸取」の後、「日の前」の舞とともに朝日が神庭に差し込んでくると、座は感動に包まれます。最後は見物客も一緒に参加し、神庭の上にある「雲」と呼ばれる天蓋から紙吹雪が舞い散り、フィナーレを迎えます。