神話のふるさと宮崎
神話のふるさと宮崎 神楽体験レポート

南川神楽

2017年2月4日〜5日鑑賞

保存会名 南川神楽保存会
開催場所 小払・中尾・佐札・梅の木・松原地区
開 催 日 2月 第1土・日

地域皆で大切に守られてきた伝統と温かさを感じる神楽 諸塚村東南部の南川地区に伝承される神楽で、毎年交代で5つの集落の集会所や民家が会場となり奉納されます。県内でも特に多くの神楽面が伝えられていて、個性豊かな面の表情を楽しめるのも魅力です。面は、各家が家宝として大切に保存しているそうで、面を外した顔もどことなく似ている気がします。2017年の奉納は、南川神楽発祥の地とされる小払地区で開催されました。

◆シチュエーション

南川神楽は、毎年4つの地区が交代で神楽宿を務めます。この年の小払地区は、1番北にある地区でした。舞入れの際、多くの面が連なって神楽宿に向かう様子は壮観で、「神様がやってくる」「神楽が始まる」ワクワク感がありました。

  • 続々と地域の人が集まってきます。床の高い神高屋は、集会所の隣にこの日のために建てられます。
  • 舞場の中には地域でとれた野菜などが供えられます。棚の下は地域の人が奉納したお酒でいっぱいになります。
  • 「天神」こと菅原道真公の面。季節はちょうど2月のはじめ。差し込まれた紅梅が季節を感じさせます。
◆舞

県内でも特に面の数が多いとされる南川神楽。中でも、ちょうど真夜中の頃に奉納される「三宝荒神(さんぽうこうじん)」は、いかめしい荒神が3柱並んで鎮座する勇ましい演目で、荒神たちと神職とのやりとりの長い口上1つ1つに会場が盛り上がります。

  • 「弓の正護」。陣羽織を着て長時間勇ましく舞うこの舞は、若い祝子(神楽を舞う人)さんの憧れなのだとか。
  • 「三宝荒神」。三体の怒れる荒神が座し、神職と問答を繰り広げます。最後は盃を交わして仲直りします。
  • 「〆口」。皆でひもを持ちながら舞っても絡まらないのが不思議でした。
◆神楽グルメ

神楽の会場でのふるまいはもちろんですが、南川神楽をはじめとする諸塚神楽では、奉納の際、近くの家が交代で「脇宿(わきやど)」を務め、神楽に訪れた人をもてなす習慣があります。家庭によって異なるおそばの出汁を味わうのが楽しみで毎年奉納に来るという人も。地元の人と語らえばさらに素敵な体験ができるかもしれません。

  • 南川神楽のお煮しめ。諸塚特産の椎茸はやっぱり肉厚でジューシーです。
  • 三宝荒神の途中で猪粥が振る舞われました。ちょうど真夜中にさしかかり、寒くて小腹もすいてきたところだったので、体の中から暖まりました。
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