神話のふるさと宮崎
神話のふるさと宮崎 神楽体験レポート

尾前神楽

2016年12月10〜11日鑑賞

保存会名 尾前神楽保存会
開催場所 尾前神社拝殿
開 催 日 12月第2土・日

古からの山の文化今に伝え、御神屋全体で楽しむ神楽 尾前神楽は、東臼杵郡椎葉村の北端に位置する尾向集落の尾前地区に伝承されている神楽で、勇壮な舞や、御神屋からの神歌や唱教、客座から飛び交う神楽せり歌など、狩猟文化に影響を受けた民俗としても、とても貴重な神楽です。

写真撮影:五十川満

◆シチュエーション

椎葉村の北端、尾前地区は神武天皇御舟出の地、美々津につながる耳川の上流にあります。周囲を山々に囲まれた尾前神社の舞殿に地域の人々が集まり、年に1度、地区総出で神楽奉納が行われます。

  • 尾前神楽が伝えられている尾前地区は、耳川の源流の山腹に位置し、尾前渓谷など豊富な水量で自然豊かな地域です。
  • 会場となる尾前神社。伝承によれば、1626年に建立されたという歴史ある神社です。神楽奉納が行われる12月の冬祭りなどのお祭りは集落総出で行われます。
  • こんな景色も山深い地域の神楽ならでは。満天の星空です。
◆舞

尾前神楽を初めとする椎葉神楽の特徴は、素面(面をつけない)の舞が多く、勇壮な舞が多いこと。一糸乱れぬ動きに心打たれます。そして、「弓通し」を始め、地域の人もそうでない人も一緒に参加して楽しめる演目があるのも魅力です。

  • 地域の子どもたちの舞。伝統が連綿と受け継がれていきます。
  • 「弓通し」。赤ちゃんの健やかな成長を願って2張の弓を重ね、間をくぐります。赤ちゃんの後には誰でも参加できます。
  • 「生魂殿」。神酒がほしい村人たちがさまざまな理由をつけて神職に願い出ますが、ことごとく却下されてしまいます。ユーモアあふれるやり取りが続きます。
  • 「生魂殿」つづき。ついに神酒が村人に授けられると、みんなで喜びの舞を所狭しと舞います。会場が大きく盛り上がります。
  • 「手力」。力強く手力雄命が舞います。番付の中でも数少ない着面の舞です。
◆神楽グルメ

県内の神楽でも猪汁のふるまいはよく行われますが、尾前神楽では、焼いた猪肉がふるまわれます。「ハザシ」と呼ばれる捧げられた猪肉をあぶり、切り分けて串に刺したものです。狩猟文化が色濃いこの地域ならではのふるまいです。

  • 神楽奉納前。猪頭を神前に供えるための準備がすすみます。
  • ふるまいを担うのは地域の女性たち。あたたかい汁が身に染みます。
  • みんなでご飯をいただきながら神楽奉納が行われます。
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