神話のふるさと宮崎
神話のふるさと宮崎 神楽体験レポート

新田神楽

2018年2月17日鑑賞

保存会名 新田神楽保存会
開催場所 新田神社
開 催 日 2月17日

出雲神話を表現した勇荘な舞を擁する春神楽 宮崎平野の位置する新富町。新田神楽が伝承されている新田神社は、新富町の西部、一ツ瀬川川下左岸の新田原台地の麓にあり、近くには、約200基もの古墳が点在する新田原古墳群があるなど、「古代」が身近に感じられる地域です。新田神楽は、400年以上の歴史を持ち、2015年には明治神宮で、2017年には宮崎神武大祭で奉納するなど活動の幅を広げており、勇壮な「蛇切り」など、県内でも人気の神楽です。

◆シチュエーション

新田神楽の奉納日は毎年2月17日。午前5時〜日の出までは社殿の中で、それ以降は境内に造られた御神屋の中で奉納されます。2018年の奉納は、久しぶりに土曜日ということで、たくさんの人が集まっていました。

  • 新田神社の鳥居。奥の方からにぎやかな太鼓の音が聞こえてきます。
  • 会場となるのは新田神社。御祭神は、山幸彦こと彦火火出見命です。田んぼに囲まれた鎮守の森の中にあります。
  • 御神前を奉納すると、御幣がいただけました。赤と緑がきれいな御幣は、伶人の皆さんが神楽の採物として使用するもので、使った御幣は、見ている人にプレゼントしてくれます。
◆舞

新田神楽は、20年前に継承者不足から、断絶の危機を迎えましたが、当時の伶人(神楽の舞手)さんたちが、近所の子どもたちを神楽に誘い、親身になって教えるなど、継承への努力を重ねられ、今日まで伝えられてきました。舞ぶりを見ていると、顔の角度や足の上げ方まで日々練習されているのが伝わってきて、伶人の皆さんの神楽への思いと日々の努力が形になっているようでした。

  • 四人剣(よにんつるぎ)。4人で体いっぱい使って舞うので、限られた御神屋の中で真剣が当たってしまうのではないかとドキドキしました。
  • 中の手。たおやかな動作に色気が感じられます。小首をかしげて舞っていると、見ている人と目が合ってお互いに頷きあったりすることもあるのだとか。
  • 二人剣(ににんつるぎ)。息がぴったりで、気持ちが良いなと感じていたところ、舞は小さい頃から一緒に舞っている若手のお2人で、太鼓はその師匠さんだったとのこと。
  • 七鬼神(しちきじん)。中学2年生の少年から、70代のベテランまで、7人が鬼神に扮して舞います。、若手は機敏で活発、ベテランは、味のある動作が舞や面の表情に深みを与えているように感じました。
  • 神楽(綱切)。「蛇切り」とも呼ばれ、新田神楽の代名詞ともいえる神楽です。スサノオのオロチ退治に関わる神楽で、まさに勇壮闊達。今年から、舞手さんが若手となり、引き継ぐものの重みが気迫となって、伝わってくるようでした。
  • いよいよ、大蛇を模した縄を切る瞬間です。周りからは「それそれそれそれ」とかけ声がかかります。切る前に縄を持った人ぎりぎりまで接近して真剣で縄を削ぎます。その後、縄を一刀両断!大きな歓声があがります。
◆神楽グルメ

境内では、地元の人たちが作ったお味噌汁や猪肉の炭火焼き、近所の皆さんが持ち寄ったお漬け物などをいただきました。驚いたのが、せんぐまき(お餅まき)の多さ。ゆずったり、ゆずられたりしながら地元の人と一緒にお餅を追いかけるのも楽しかったです。

  • いただいたお味噌汁は、鯉のアラが入っていました。臭みもなく、卵もいっぱい入っていて、ぷちぷちした食感も楽しめました。
  • 地元の方々に誘われて、おにぎりに醤油を垂らして焼きおにぎりに。香ばしい香りが食欲をそそります。ワイルドな猪肉の炭火焼きもどんどん出していただいてお腹いっぱいでした。
  • 私がいた間だけでも、4回もせんぐまきが。厄払いのせんぐまきや、神楽の練習をしている子どもたちが主役のせんぐまきなど、そのたびに歓声が上がり、みんなで楽しみました。
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