地域をつなぐ例大祭
大御神社で毎年10月に行われる「宵祭り」は、1年の中で最も賑わいを見せる日です。宵祭りでは、巫女舞である豊栄・浦安・悠久の3つの舞と宮司による朝日舞、延岡の大峡(おおかい)神楽保存会による神楽11番、獅子舞が奉納されます。特に巫女舞と天翔獅子の獅子舞は大変人気があり、平成26年には、奉納を見学するために約1600人が訪れました。
新名宮司が神主になった当時、大御神社の神楽は廃れており、なんとか神楽を復興させたいと思っていました。平成10年大寒の早朝、宮司が海で禊ぎをしている時、光輝く獅子の姿を見たそうです。これを神の啓示と受け取り、ストーリー性のある獅子舞にしたいと、曲から振り付けまで地域住民と一緒に創作し、天翔獅子を完成させたのです。
以前から大御神社に参拝していたバイオリニストの古澤巌さんは、宵祭りの獅子舞にインスピレーションを受けて『龍神伝説』を作曲。演奏を奉納したいという申し出があったことから、宵祭りの翌日は境内で古澤さんのコンサートを平成23年から、これまで毎年開催しているそうです(平成26年12月現在)。宵祭りはもちろんですが、この境内コンサートにも県内外から多くの方が訪れ、大変賑わいを見せるそうです。
この地に伝わる神話や伝承を後世に伝えていくことはもちろん、宵祭りを通して、地域活性にも貢献したいと力強く語る新名宮司の笑顔が印象的でした。