縁結びや子宝祈願の元となった万寿姫
榎原神社は、第3代飫肥藩主の伊東祐久公(いとうすけひさ)によって、1658年に飫肥藩の鎮守として鵜戸神宮から勧請して創建されました。昔から縁結びにご利益があるといわれていますが、創建にも関わる万寿姫の話を抜きに語ることはできません。
万寿姫は小さい頃から神仏に興味あり、大人になってからも人々の悩みを解決していたといわれています。当時の飫肥藩主・伊東祐久公は世継ぎができないと悩んでいましたが、万寿姫からの助言を受けて無事に男児を授かります。そこから伊東家の崇敬が篤くなり、万寿姫の願いにより榎原神社は建立されたのです」と岩切宮司は話してくれました。
万寿姫が生きている間は、相談者がひっきりなしに訪ねてきていたといわれるほど、噂が知れ渡っていたようでした。亡くなって摂社・桜井神社に祀られてからも、人々の信仰は篤く、昭和30年頃までは宮崎市内から参拝のための貸し切りバスが出るほどの賑わいだったとか。今でも“縁結びといえば榎原さん”と言われる理由もよく分かります。